パソコン、モニター、スマホの充電器、デスクライト。ひとつずつ増えていって、気づけば差込口が足りない。そこで「電源タップ 8口」で検索した人が、この記事を開いていると思います。
商品ページには「8個口」「合計1500W」「PD30W対応」と、数字が並んでいます。多いほうがよさそうに見える。
値段は2,000円から4,000円くらいで、見た目もそう変わりません。
ところが、この3つの数字には、それぞれ続きがあります。
- 「8口」:ACアダプタを挿すと隣が潰れて、実際には6口
- 「1500W」:1口あたりではなく、全部の合計
- 「PD30W」:1ポートだけ使ったときの数字。2つ挿すと20W
どれも嘘ではありませんが、条件が書かれていません。ここを知っているかどうかで、届いてからの満足度がだいぶ変わります。
先に:この記事が向いていない人
- ドライヤーや電気ケトル、電子レンジをまとめて挿したい人:後で書きますが、この手の家電は1台で1200W前後あります。タップで分けても合計は変わりません
- 屋外や水回りで使いたい人:防雨・防水をうたった専用品を探してください
- 壁に直接挿したい人:コードのない「直挿し」タイプが別にあります。この記事はコード付きを比べています
- ノートPCを高出力で急速充電したい人:タップのUSBは20〜30W程度です。65W以上ほしいなら、充電器を別に用意するほうが確実です
- とにかく安ければいい人:500円台のものもあります。この記事は雷ガードやスイッチの付いた2,500円前後を扱います
選ぶときに見る3つの基準
基準1 口数より「間隔」を見る
いちばん実用的なところです。
差込口が8つあっても、ACアダプタ(四角くて大きいプラグ)を挿すと、その隣が塞がります。口コミにもはっきり出ていました。
隣との間隔が狭いのでスマートプラグを指すと隣のソケットが使用不能になる。
アダプタを2つ挿せば、8口が実質6口。3つなら5口です。
対策として、最近のタップは横向きの差込口を混ぜています。こちらも口コミで評価されていました。
すっきりした四角で横にも刺し口あるから助かる
コンセントも刺し放題ぐらい横にもあるのでお買い得
商品画像で、差込口の並び方を見てください。縦一列にびっしり並んでいるものより、向きが混ざっているもののほうが、アダプタを挿しても潰れにくくなります。
数を数えるより、自分がアダプタをいくつ挿すかから逆算するほうが確実です。
基準2 「1500W」は全部の合計
日本で売られている電源タップは、ほぼすべて125V/15A=合計1500Wです。今回の3本も全部これでした。
この1500Wは、差込口ぜんぶを合わせた数字です。1口あたり1500Wではありません。
身近な家電で並べると、こうなります。
| 機器 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| ドライヤー | 約1200W |
| 電気ケトル | 約1250W |
| 電子レンジ | 1000〜1400W |
| こたつ | 約600W |
| デスクトップPC | 100W前後 |
| モニター | 20〜50W |
| スマホの充電 | 20W前後 |
ドライヤーと電気ケトルを同時に使うと、それだけで超えます。
逆に言うと、デスク周りなら心配はほとんど要りません。パソコンとモニターと充電器を全部足しても、200W程度。1500Wにはまるで届きません。
「たこ足配線は危ない」とよく言われますが、危ないのは暖房器具と調理家電をまとめたときで、パソコン周りではない、というのが実際のところです。
挿す機器の消費電力を一度合計しておくと、不安の当て先がはっきりします。
基準3 USBの「30W」は、1ポートだけのときの数字
ここも条件つきです。SAYBOURの仕様表示が分かりやすかったので、そのまま引きます。
- 1ポートだけ使うとき:Type-C 最大30W / USB-A 最大12W
- 複数ポートを使うとき:Type-C 最大20W / USB-A 最大12W
2つ挿した時点で、30Wが20Wに落ちます。
「PD30W対応」と大きく書いてあっても、スマホとイヤホンを同時に充電すれば20Wです。同時に何を挿すかで、実際の出力が変わると考えておいてください。
あわせて、コードの長さも決めておきます。1mと1.5mでは置ける場所がかなり変わります。机の下から壁のコンセントまで、実際に測っておくと失敗しません。
比較表
| 項目 | エレコム ECT-44-8A2C15BK |
SAYBOUR LC-6C1S-2A1C |
TESSAN マグネット式 |
|---|---|---|---|
| AC差込口 | 8口 | 6口 | 8口 |
| USBポート | A×2 + C×1 | A×2 + C×1 | C×2 + A×2 |
| USB出力 | 20W | 1ポート時30W/複数時20W | 20W |
| コード長 | 1.5m | 1.5m | 1m |
| AC定格 | 1500W(125V/15A) | 1500W(125V/15A) | 1500W(125V/15A) |
| スイッチ | - | 一括 | 個別4つ+常時通電4つ |
| その他 | 雷ガード/ホコリ防止シャッター/180度スイングプラグ | 雷ガード | 雷ガード/ホコリシャッター/マグネット/薄型プラグ |
| 価格の目安 | 2,990円 | 2,596円 | 2,599円 |
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※価格・仕様は変更されることがあります。購入前に販売ページの最新の表示をご確認ください。
定格1500Wは3本とも同じです。ここで差はつきません。分かれるのは、差込口の並び方、USBの構成、スイッチ、そして貼れるかどうかです。
商品ごとの解説
エレコム ECT-44-8A2C15BK 8口と安心感を取る
国内メーカーの定番です。差込口8つに加えて、横向きの口も混ざっています。
よくわからないメーカーは嫌だったので安定のエレコムさん
すっきりした四角で横にも刺し口あるから助かる
設置面が広いのでひっくり返ることがない。
「設置面が広い」という評価は、裏返すと大きいということでもあります。そこは不満としても出ていました。
サイズは図ったうえで購入してますがおいてみると結構大きい。
そして基準1で引いた指摘も、この製品のものです。
隣との間隔が狭いのでスマートプラグを指すと隣のソケットが使用不能になる。
横向きの口があってなお、アダプタ次第では潰れます。8口を8口として使うのは、どの製品でも簡単ではないということだと思います。
USBについては、こんな声もありました。
使ってみて感じたことはType-Cを2個以上ほしかったことぐらいですね。
Type-Cが1つなので、C to Cのケーブルを2本使う人には足りません。
向いている人:口数をとにかく増やしたい人。国内メーカーで揃えたい人。机の上に置く場所がある人。
向いていない人:省スペースにしたい人。Type-Cを2つ以上使う人。
SAYBOUR LC-6C1S-2A1C USBの出力とスイッチ
6口とやや少なめですが、USBのType-Cが1ポート使用時に30W出ます。3本のなかでは最も高い数字です。手元で切れる一括スイッチも付いています。
手元にスイッチはある、cタイプもある、コンセントも刺し放題ぐらい横にもある
USBポートもしっかり機能しており、コンセント穴の位置も良く、文句のない品です。
半年ほど使っていますが、今のところ何も不具合はありません。
差込口の位置への評価が2件出ているのは、基準1の観点からは心強いところです。
一方で、耐久性と、商品写真についての指摘がありました。
コードの根元が緩めなので、気がついたら本体のコンセントが抜けかけてます。
写真ではマグネットでくっついているように見えたけど、実際にはシールが付いてるだけ
スイッチが点灯しなくなりました。寿命短いかも?
マグネットではありません。商品写真からマグネット式だと思って買うと、期待が外れます。壁や机に貼りたいなら、次のTESSANのほうです。
向いている人:手元でまとめて電源を切りたい人。Type-Cで少しでも速く充電したい人。6口で足りる人。
向いていない人:貼り付けて使いたい人。8口ほしい人。
TESSAN マグネット式 貼れる、個別に切れる
磁石で貼れることと、差込口ごとに切れる個別スイッチが特徴です。4口が個別スイッチ、4口が常時通電という構成になっています。
磁石も強く デスク脇に付けて 邪魔にならず とても重宝してます
プラグが薄く平たいので、コンセント周りの見た目が整います。
口も沢山付いててコンセント部分もスマートで可愛いです。
薄型プラグは、家具の裏など狭いところに挿すときに効いてきます。
ただし、磁力の評価は割れていました。
磁力が弱く、縦に付けても横に付けても下がって来てしまう。
同じ製品で「磁石も強く」と「磁力が弱く」が並んでいます。貼る面がスチールかどうかと、挿しているケーブルの重さで変わるのだと思います。ケーブルを何本も挿せば、その重みで下がります。
そのほかの指摘はこちらです。
1ヶ所ボタン分部が光がつきませんでした。でも使用は出来るので使ってます。
デザインは素敵ですが、差し口が硬く、抜き差しはしにくいです。
向いている人:机の脇や壁に貼りたい人。使わない機器の電源を個別に切りたい人。家具の裏の狭いコンセントに挿す人。
向いていない人:貼る面が木や樹脂の人(磁石が付きません)。頻繁に抜き差しする人。コードが1mで足りるか測っていない人。
口コミで多かった不満と、その対処
1. 差込口があっても、隣が使えない
隣との間隔が狭いのでスマートプラグを指すと隣のソケットが使用不能になる。(エレコム)
3本すべてに当てはまる話です。ACアダプタは、細いプラグの1.5〜2倍の幅を取ります。
対処はこうなります。
- 横向きの口があるものを選ぶ。アダプタは横向きの口に回します
- アダプタが多いなら、口数を多めに見積もる。アダプタ3つなら、8口でも実質5口です
- 短い延長プラグを1本挟む。アダプタだけタップの外に出せば、本体の口が潰れません
2. スイッチのランプが切れる(SAYBOUR・TESSAN)
スイッチが点灯しなくなりました。寿命短いかも?(SAYBOUR)
1ヶ所ボタン分部が光がつきませんでした。でも使用は出来るので使ってます。(TESSAN)
メーカーは違いますが、同じ症状です。通電はするけれど、ランプだけ光らなくなる。
スイッチ内部の小さなランプが切れているだけで、電源そのものは通っています。実害は「入っているか目で分からない」ことです。困る場合は、購入から日が浅ければ販売元に相談してください。
買う前にできることとしては、スイッチの数が多いほど、切れる箇所も増えるという見方はできます。個別スイッチが8つあるものより、一括スイッチ1つのほうが、この点では単純です。
3. マグネットは、貼る面と重さで変わる
磁石も強く デスク脇に付けて 邪魔にならず(TESSAN・良い評価)
磁力が弱く、縦に付けても横に付けても下がって来てしまう。(TESSAN・低い評価)
同じ製品で正反対の評価が並びました。分かれる原因は2つ考えられます。
- 貼る面:スチールデスクや金属ラックならしっかり付きます。木の机や樹脂の面には付きません
- ケーブルの重さ:8本挿せば、その重みが下向きにかかります。落ちるなら、挿す本数を減らすか、ネジ穴での固定を検討してください
なお、SAYBOURはマグネットではありません(付属のシールで貼る方式です)。商品写真だけで判断すると取り違えます。
4. 思ったより大きい
サイズは図ったうえで購入してますがおいてみると結構大きい。(エレコム)
8口タイプは、物理的にどうしても大きくなります。測って買った人でも「大きい」と感じているので、寸法の数字と、置いたときの印象は別と考えておいたほうがよさそうです。
紙に寸法どおりの四角を描いて、置く場所に当ててみると、感覚がつかめます。
状況別のおすすめ
パソコン・モニター・充電器をまとめたい(デスク周り)
合計しても200W程度なので、1500Wは気にしなくて大丈夫です。
口数と差込口の並びで選んでください。8口のエレコムかTESSANが候補になります。
ACアダプタが3つ以上ある
口数を多めに見積もってください。8口でも実質5口です。横向きの口があるものを選ぶか、短い延長プラグを1本用意しておくと融通がききます。
机の脇や壁に貼りたい
TESSAN。ただし貼る面がスチールかどうかを先に確かめてください。木や樹脂には付きません。
使わない機器を個別に切りたい
TESSAN(個別スイッチ4つ)。まとめて切るだけでよければ、SAYBOURの一括スイッチで足ります。
Type-Cで少しでも速く充電したい
SAYBOUR(1ポート使用時30W)。
ただし2つ挿すと20Wに落ちます。ノートPCを充電するなら、タップのUSBではなく専用の充電器のほうが確実です。
暖房器具や調理家電を挿す
合計1500Wを超えないように、挿す機器のW数を足してください。
ドライヤーと電気ケトルの組み合わせは超えます。この用途なら、タップを増やすのではなく、壁のコンセントを分けて使うほうが安心です。
買ったあと、最初にやること
- 挿す機器の消費電力を合計する:本体や説明書に「◯◯W」と書かれています。1500Wに近いなら、挿す場所を分けてください
- ACアダプタを実際に挿して、隣が潰れないか見る:ここで実質何口になるかが分かります
- コードが届くか確かめる:1mと1.5mでは置ける場所が変わります
- USBは1ポートずつ試す:2つ挿したときに充電が遅くなるか、体感で確かめておきます
- マグネットなら、貼る面と落ちないかを確認する:ケーブルを全部挿した状態で試してください
- しばらく使ってから、本体を触ってみる:はっきり熱いと感じるなら、挿している機器の合計を見直してください
- 使わない口にはホコリが入らないようにする:シャッター付きなら、そのままで大丈夫です
結論:口数を、ACアダプタの数から逆算する
電源タップは、数字が3つ並んでいて、どれも条件つきでした。
8口は、アダプタを挿せば6口になる。1500Wは全部の合計。PD30Wは1ポートだけのとき。
このうち、いちばん実用に響くのは口数だと思います。1500Wはデスク周りでは超えませんし、USBの出力差も体感では大きくありません。
けれど「挿したい機器が挿せない」は、毎日ひっかかります。
買う前に、自分がACアダプタをいくつ挿すか数えてみてください。そこから必要な口数を逆算するのが、いちばん確実です。
3本はそれぞれ、口数のエレコム、USBとスイッチのSAYBOUR、貼れて個別に切れるTESSAN、という分かれ方でした。置く場所と、挿すものの形で決まると思います。
デスク周りをまとめるなら、エレコム ECT-44-8A2C15BKから見てみてください。
8口あるので、ACアダプタで隣がつぶれても5口前後は残ります。毎日ひっかかるのは、ここです。
机の脇や壁に貼りたい・個別に切りたいなら TESSAN、Type-Cで少しでも速く充電したいなら SAYBOUR です。
条件は上の「状況別のおすすめ」に書きました。
なお、こうした「大きく書いてある数字に条件がある」という話は、電源タップに限りません。
同じデスク周りでは、スイッチングハブの「ギガ対応」もケーブル次第でした。8ポートのうち1つはルーター用です。
突っ張りラックの耐荷重80kgは1段10kg|天井高で選ぶ3本比較でも、同じ読み方をしています。
同じデスク周りでは、ノートPCスタンドの高さ調整は21cmと11cmで別物|3本比較でも、表示された数字の読み方を書いています。
数字に条件が付くのは家電だけではありません。自転車の空気入れの「最大160PSI」も、ママチャリに入れる44〜65PSIの2倍以上ある数字でした。
「合計の数字」でつまずくものは、ほかにもあります。USB充電器の「65W」は1ポートだけのときの数字で、3台つなぐと40W+12W+12Wに分かれました。
※記載の価格・仕様は記事作成時点のもので、変更されることがあります。購入前に販売ページの最新の表示をご確認ください。


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