保温弁当箱はおかずを保温しない|保温効力の読み方と3本比較

保温弁当箱はおかずを保温しない|保温効力の読み方と3本比較 キッチン雑貨
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冬のお昼に、温かいごはんが食べたい。そう思って保温弁当箱を探している人が、この記事を開いていると思います。

先に、いちばん大事なことをお伝えします。

保温弁当箱は、おかずを保温しません。

壊れているわけでも、性能が足りないわけでもありません。メーカーが、わざとそう作っています。象印の説明に、こう書かれています。

真空2重構造を持つ本体に、スープ容器、ごはん容器、おかず容器を入れますが、スープとごはんは保温しますが、断熱材の入ったふたで隔てられたおかずは保温しない仕様

おかずを保温すると腐敗する原因になるので、スープ容器におかずは入れないでください

理由は食中毒です。菌がいちばん増えやすいのは30〜40℃。

温かいおかずを詰めて数時間持ち歩くと、ちょうどその温度帯を通ります。だから、おかずだけは断熱材で仕切って、温めないようにしてあります。

「保温弁当箱」という名前から想像するものと、中身が違います。温かくなるのは、ごはんとスープだけです。

先に:この記事が向いていない人

  • おかずも温かく食べたい人:この形では無理です。ごはんの上におかずを載せる丼型か、スープジャーという別のジャンルになります
  • 軽い弁当箱を探している人:本体だけで約1.0kg。中身を入れると1.5kg前後になります
  • かばんが小さい人:縦型は高さ21cm、横型でも幅22cmあります。普通のトートには入らないことがあります
  • サラダや生野菜を持っていきたい人:保温容器の中は温かいままです。傷みやすくなります
  • 夏に長時間持ち歩きたい人:保温は保冷ではありません。夏は保冷剤と別容器のほうが安全です

選ぶときに見る3つの基準

基準1 「保温効力69度」は、6時間後の数字

商品ページに並んでいる「保温効力(6時間)69度以上」という数字。この測り方は、JIS規格で決まっています。

  • 95℃の湯を、満水まで入れる
  • 室温20℃の部屋に置く
  • 6時間後に、中身の中心で測る

つまり「69度以上」とは、「95℃の湯を満水で入れて、20℃の部屋に6時間置いたら69度以上だった」という意味です。

ここから、実際との差が見えてきます。

  • 炊きたてのごはんは95℃ではありません。電子レンジで温め直しても、湯ほど高くなりません
  • 少なく入れると、冷めやすくなります。満水での数字だからです
  • 冬のオフィスや車内は、20℃より低いことがあります
  • 6時間後の温度であって、途中の温度ではありません

そして、その数字が3社で大きく違いました。

製品 保温効力(6時間)
象印 SL-GH18 69度以上
サーモス JBG-1801 68度以上
タイガー LWY-E461 ポーチ未使用 54度以上
ポーチ使用 58度以上

69度と54度。15度違います。そしていちばん高い4,282円のタイガーが、いちばん低い数字です。

ただしタイガーだけが、条件を分けて書いています。「専用ポーチを使ったとき」と「使わないとき」。象印とサーモスにはポーチが付いておらず、条件の記載もありません。

54度は、低すぎる数字ではありません。食べごろのごはんは50〜60度くらいです。「熱々」を求めるかどうかで、評価が変わるところだと思います。

基準2 何が保温されて、何が保温されないか

冒頭に書いたところです。保温されるのは、ごはんとスープだけ。

容器 保温されるか
ごはん容器 される
スープ容器 される
おかず容器 されない(断熱材のふたで仕切られている)

そしてここで、3本の形の違いが効いてきます。

タイガーだけ、スープ容器がありません。そのかわり、おかず容器が2個です。

製品 容器の組み合わせ
象印 ごはん+おかず1個+スープ
サーモス ごはん+おかず1個+スープ
タイガー ごはん+おかず2個(スープなし)

味噌汁を持っていきたいなら、タイガーは外れます。逆に、おかずを分けて詰めたいならタイガーです。

ただし、口コミにこうありました。

おかず入れが二つに分かれているため、あまり入りません。(タイガー)

2つ合わせれば0.52Lで、象印の0.40Lより多いのですが、「入らない」と感じています。大きいおかずが入らない、ということだと思います。

数字の合計と、使い勝手は別ということです。

基準3 ごはんの量は「L」で比べる

容量の書き方が、3社でまったく違いました。

製品 メーカーの書き方 ごはん容器
象印 茶碗約3杯分/約1.2合 0.59L
サーモス 約1.3合
(炊く前のお米の量)
0.6L
タイガー 茶碗約2.3杯分
(1.02合)
0.46L

象印とサーモスは、容器がほぼ同じ(0.59Lと0.6L)なのに、「1.2合」と「1.3合」で書き方が違います。サーモスは「炊く前のお米の量」と断っています。

そして「茶碗◯杯」には、決まった量がありません。各社が自社の基準で書いています。

単位をLにそろえると、タイガーだけ2割少ないことが分かります。

比較表

項目 象印
SL-GH18
サーモス
JBG-1801
タイガー
LWY-E461
保温効力(6時間) 69度以上 68度以上 ポーチ未使用54度
ポーチ使用58度
ごはん容器 0.59L 0.6L 0.46L
(メーカーの書き方) 茶碗約3杯分
約1.2合
約1.3合
(炊く前のお米)
茶碗約2.3杯分
1.02合
おかずは保温されるか されない されない されない
おかず容器 0.40L×1 0.4L×1 0.26L×2
スープ容器 0.28L 0.3L なし
本体の形 縦型
15×13.5×21cm
縦型
16×13.5×21cm
横型
22.2×11.1×13.6cm
重量 約1.0kg 約1.0kg -
電子レンジ 3容器とも対応 フタを外せば対応 -
食洗機 記載なし
(本体丸洗いOK)
内容器・はし対応
(保温容器は不可)
記載なし
付属 はし はし・はしケース 専用ポーチ・はし
生産国 タイ 中国 -
価格の目安 3,309円 3,578円 4,282円
Amazon評価 ★4.3(2,698件) ★4.4(6,281件) ★4.2(3,186件)

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※価格・仕様は変更されることがあります。購入前に販売ページの最新の表示をご確認ください。

タイガーだけ横型で、スープ容器がなく、おかず容器が2個です。同じ「ランチジャー」でも、中身の組み立てが違います。ここは好みというより、味噌汁を持っていくかどうかで決まります。

数字はほぼ同じなのに、口コミが正反対だったこと

ここが、調べていていちばん面白かったところです。

象印は69度、サーモスは68度。1度しか違いません。ところが口コミは、こうでした。

6時間までですネ。6時間後は暖かいと言うより、ヌルいって感じ、、(象印・69度)

ご飯入れて8時間後でも熱々のご飯が食べれました。(サーモス・68度)

片方は6時間でヌルい、もう片方は8時間で熱々。スペックは1度差なのに、体感が正反対です。

答えらしきものが、もう1台の口コミの中にありました。

きちんと温めてからご飯を詰めると昼飯まで保温されてます。(タイガー)

「きちんと温めてから」。ここです。

JISの測り方を思い出してください。95℃の湯を、満水で入れる。容器そのものも、そのとき一緒に温まります。

ところが実際には、冷たい容器に、炊きたてでもないごはんを、八分目くらい入れることになりがちです。容器を温めるぶんの熱が、ごはんから奪われます。

使う前に、熱湯を入れて1〜2分置いてから捨てる。これだけで、ずいぶん変わります。表示の数字に近づける唯一の方法が、これです。

もうひとつ、象印の口コミが良い目安をくれています。

朝7時に作って12時半に食べましたが、お米も味噌汁もアツアツとはいかないまでも暖かい感じは保ってました。個人的には冷やご飯でないだけで十分なので満足です。(象印)

5時間半で「アツアツではないが、温かい」。これが69度という数字の、現実の姿だと思います。「冷やご飯でないだけで十分」と思えるかどうかが、この製品に満足できるかの分かれ目です。

商品ごとの解説

象印 SL-GH18 3,309円。3本でいちばん安い

ごはん容器0.59L(茶碗約3杯分)。3容器とも電子レンジ対応で、内面フッ素コート、本体丸洗いOK。3本でいちばん安い製品です。

朝7時に作って12時半に食べましたが、お米も味噌汁もアツアツとはいかないまでも暖かい感じは保ってました。個人的には冷やご飯でないだけで十分なので満足です。箸箱固定も嬉しいですね。

値段も保温性も満足

冬場はお昼にはまだ湯気が出るほどお味噌汁が温かい。

「箸箱固定」が地味に効いています。後で書きますが、タイガーはここで不満が出ていました。

低い評価は、汁漏れ・保温の限界・大きさでした。

味噌汁の汁漏れが少しある。締め込みすぎると漏れるみたい。

6時間までですネ。6時間後は暖かいと言うより、ヌルいって感じ、、

サイズめっちゃ大きいです!

1つめが面白い指摘です。「締め込みすぎると漏れる」。強く締めるほどパッキンが変形して、かえって隙間ができることがあります。力任せは逆効果です。

2つめは、JISが6時間で測っていることを知らないであろう人が、体感で6時間を境目だと言っています。数字と実感が、きれいに一致した例だと思います。

向いている人:味噌汁を持っていく人。電子レンジで温め直したい人。安く済ませたい人。箸をなくしがちな人。

向いていない人:かばんが小さい人(高さ21cm)。6時間より長く持ち歩く人。


サーモス JBG-1801 3,578円。レビュー6,281件

3本でレビューがいちばん多く、★4.4。ごはん容器0.6Lで、3本のなかでいちばん大きい製品です。

そして、食洗機対応を明記しているのはこれだけでした。

朝に熱々の汁物を詰めておくと昼まで熱々で保温力は抜群です。

食洗機も使えるので洗浄に手間がかからないのもポイントが高いです。

ご飯入れて8時間後でも熱々のご飯が食べれました。

洗い物は毎日のことです。内容器3つ、はし、はしケースが食洗機に入ります(保温容器は入れられません)。3本のなかで、ここははっきりした差でした。

低い評価は、汁漏れと重さでした。

汁物はこれでもかってぐらい蓋を閉めないと漏れてしまいます。。

味噌汁のパッキンに問題あり。かなり漏れる。

思ったより重いです。

汁漏れは、象印でも出ていました。3本中2本です。後でまとめて書きます。

面白いのは、象印は「締め込みすぎると漏れる」、サーモスは「これでもかってぐらい閉めないと漏れる」と、正反対のことが言われている点です。

締め方の正解が製品によって違うということだと思います。

向いている人:食洗機を使う人。ごはんを多めに持っていく人。味噌汁を持っていく人。長い時間持ち歩く人。

向いていない人:重さが気になる人。汁物を斜めにして運ぶ人。


タイガー LWY-E461 4,282円。横型でポーチ付き

3本でいちばん高く、唯一の横型。専用ポーチが付き、おかず容器が2個でスープ容器がありません。

そして保温効力を「ポーチあり/なし」で分けて公表している唯一の製品です。

使いやすい、洗いやすい、保温効果◎

きちんと温めてからご飯を詰めると昼飯まで保温されてます。

2つめが、この記事の答えのひとつになっています。予熱をすれば、54度という数字でも「昼飯まで保温されている」ということです。

低い評価は、容器と付属品の使い勝手でした。

おかず容器の蓋が少しきつく開けづらい

おかず入れが二つに分かれているため、あまり入りません。

箸箱を入れる袋が、片方がベルトにもう一方がジャー本体についておりブラブラして持ち運び時邪魔になる

1つめは、「4カ所ロックのおかず容器」という汁もれ対策の裏返しだと思います。しっかり閉まるぶん、開けにくい。

2つめは基準2で書いたところです。0.26L×2で合計0.52L。象印の0.40Lより多いのに「入らない」。ひとつが小さいと、大きいおかずが入りません。

3つめは、象印の「箸箱固定も嬉しい」と正反対です。同じ箸の収納で、片方はほめられ、片方は不満が出ています。

向いている人:かばんに横向きで入れたい人。おかずを2種類に分けたい人。味噌汁を持っていかない人。ポーチが欲しい人。

向いていない人:味噌汁を持っていく人(スープ容器がありません)。大きいおかずを詰める人。ごはんを多く食べる人(0.46L)。


口コミで多かった不満と、その対処

1. 汁がもれる(象印・サーモス)

いちばん多い不満で、2本にまたがっていました。しかも締め方の正解が逆です。

締め込みすぎると漏れるみたい。(象印)

これでもかってぐらい蓋を閉めないと漏れてしまいます。(サーモス)

  • まず水で試す。スープ容器に水を入れて、逆さにして確かめてください。自分の製品の「正解の締め方」が分かります
  • パッキンの向きと位置を見る。洗ったあと、少しねじれて入っていると漏れます
  • 汁物は八分目まで。ふちまで入れると、ふたを閉めるときに押し出されます
  • 立てて運ぶ。密閉と、傾けても漏れないことは別の性能です

2. 思ったより冷めている(象印)

  • 使う前に熱湯で予熱する。1〜2分入れて捨てるだけです。いちばん効きます
  • 満水に近づける。少なく入れるほど冷めやすくなります
  • ごはんは炊きたて、または温め直してから詰める
  • かばんの中でも、できれば布や新聞紙で包む。冬の通勤中がいちばん冷えます
  • 6時間を目安にする。それより長いと、表示の数字より下がります

3. 重い・大きい(象印・サーモス)

本体だけで約1.0kg。中身を入れると1.5kg前後になります。

  • 買う前に、いつも使うかばんの内寸を測る。縦型は高さ21cm、横型は幅22.2cmです
  • 横型はかばんに寝かせて入れられます。リュックなら縦型、トートなら横型が入れやすいところです
  • 小さいサイズもあります。3社とも容量違いを出しています

4. ふたが開けにくい・箸入れが邪魔(タイガー)

  • ロックは対角線の順に外す。ねじれが減って、開けやすくなります
  • 熱いうちに閉めると、冷めたときに開けにくくなります。中の空気が縮んで吸い付くためです
  • 箸入れの袋は、ベルト側の留め具を外して本体側だけにしておくと、ぶら下がりが減ります

状況別のおすすめ

味噌汁やスープを持っていきたい
象印またはサーモス。タイガーにはスープ容器がありません。ここがいちばん大きな分かれ目です。

食洗機で洗いたい
サーモス。内容器・はし・はしケースが食洗機に入ります。明記しているのはこれだけでした。

ごはんを多めに持っていく
サーモス(0.6L)または象印(0.59L)。タイガーは0.46Lで2割少なめです。

かばんに横向きで入れたい
タイガー。3本で唯一の横型で、専用ポーチが付きます。

おかずを2種類に分けたい
タイガー。ただしひとつが0.26Lと小さいので、大きいおかずは入りません。

とにかく安く済ませたい
象印(3,309円)。保温効力は3本でいちばん高い数字です。

おかずも温かく食べたい
この3本では叶いません。丼型ランチジャーかスープジャーを探してください。

買ったあと、最初にやること

  1. スープ容器に水を入れて、逆さにしてみる:自分の製品の「正解の締め方」を、味噌汁を入れる前に知っておけます
  2. 使う前に熱湯で予熱する習慣をつける:1〜2分入れて捨てるだけ。表示の数字に近づける唯一の方法です
  3. おかずはよく冷ましてから詰める:保温されない容器です。温かいまま詰めると傷みやすくなります
  4. いつものかばんに入れてみる:高さ21cm、または幅22.2cm。入らなければ使わなくなります
  5. 1回目は、短い時間で試す:3〜4時間で開けてみて、温度の感じをつかんでください
  6. パッキンを外して、はめ直してみる:洗うたびにやることになります。先に覚えておくと楽です
  7. 夏は使い方を変える:保温は保冷ではありません。夏はごはんも冷まして、保冷剤を使ってください

結論:条件を読んで、その条件に自分から近づける

保温弁当箱でいちばん誤解しやすいのは、名前そのものだと思います。

保温されるのは、ごはんとスープだけ。おかずは、メーカーがわざと保温していません。食中毒を防ぐためです。おかずも温かくしたいなら、別のジャンルを探すことになります。

そして「保温効力69度」は、95℃の湯を満水で入れて、20℃の部屋に6時間置いたときの数字でした。炊きたてでもないごはんを、冷たい容器に、八分目入れたときの数字ではありません。

面白かったのは、69度と68度という1度差の製品で、「6時間でヌルい」と「8時間で熱々」に評価が割れていたことです。差は製品ではなく、使う前に容器を温めるかどうかにありました。

大きく書いてある数字には、たいてい条件が付いています。耐熱ガラス保存容器の「520ml」も満水容量でしたし、電気ケトルの「カップ1杯60秒」も140mLのときの数字でした。

条件のほうを読むと、届いてからがっかりしません。そして今回は、条件を読むだけでなく、その条件に自分から近づける方法までありました。熱湯を1〜2分。それだけです。

味噌汁やスープも持っていくなら、サーモス JBG-1801から見てみてください。

ごはんは0.6Lで3本のなかでいちばん多く、内容器とはしを食洗機に入れられると明記しているのもこれだけです。


とにかく安く済ませたいなら象印 SL-GH18、かばんに横向きで入れたいなら横型のタイガー LWY-E461 です。

条件は上の「状況別のおすすめ」に書きました。

測定条件が付いた数字は、ほかにもあります。加湿器の「15畳まで」は気密性の高い部屋の数字で、木造和室では9畳でした。

※記載の価格・仕様は記事作成時点のもので、変更されることがあります。購入前に販売ページの最新の表示をご確認ください。

この記事を書いた人
tora

「Cozy雑貨」を運営しているtoraです。

暮らしの中で使う道具を、選ぶときの基準がはっきりするように整理して紹介しています。

選ぶ基準を先に3つ決める、仕様はメーカーの公式サイトで確かめる、低い評価の口コミから共通する不満を拾う。この順番を毎回守っています。

すべてを購入して試しているわけではありません。そこは記事の中で正直に書いています。

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