物干し竿の長さはベランダの幅で決めない|選び方と3本比較

物干し竿の長さはベランダの幅で決めない|選び方と3本比較 生活雑貨
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引っ越しの当日か、その翌日。洗濯機の設置は終わって、洗剤も買ってある。

あとは干すだけ、とベランダに出たら、灰色の竿受けが二つ、壁から突き出しているだけだった——という人は多いと思います。

そこで検索すると、出てくるのは「1.8m〜4m」「1.68m〜3m」といった伸縮範囲の数字ばかり。

自分の家がそのどれに当たるのか、書いていない。長ければ長いほど便利なのか、それとも短めのほうが丈夫なのか。

値段も1,000円台から5,000円を超えるものまであって、何が違うのか掴めない。

物干し竿は、一度つけたら数年は買い替えないものです。

しかも合わなかったときに一番困るのが「短すぎた」「たわんで使えない」という、返品するほどでもないけれど毎日ひっかかる不便さだったりします。

この記事では、まず長さの決め方をはっきりさせてから、実際によく売れている3本を、数値と口コミの両面から並べます。

先に:この記事が向いていない人

読み進めても時間の無駄になりそうな方を、先に挙げておきます。

  • 竿受けの間隔をすでに測っていて、あとは商品を決めるだけの人:基準の説明は飛ばして、比較表からご覧ください
  • 室内干し用のスタンドを探している人:ここで扱うのは竿そのものです
  • 竿受けが付いていない部屋で干したい人:まず必要なのは竿掛け(突っ張り式や自立スタンド)で、竿はその次です
  • 布団を毎日干したい人:布団は水を含むと一気に重くなります。竿1本あたりの耐荷重が桁で変わるので、布団用の太物を別で探したほうが安全です
  • とにかく安ければいい人:この記事は、たわみや錆びの話に紙面を割いています

選ぶときに見る3つの基準

基準1 長さは「竿受けの間隔+左右の出しろ」で決める

測るのは、竿受けの中心から中心までの距離です。外側から外側でも、内側から内側でもありません。

その数字に対して、竿は両端が竿受けから10〜20cmずつ出るくらいがちょうどいい目安になります。

竿受けの間隔が1.6mなら、1.8m前後。2.0mなら、2.2〜2.4m前後といった具合です。

出しろを取る理由は二つあります。ひとつは、風であおられたときに竿が竿受けから外れにくくなること。もうひとつは、竿受けのすぐ内側は洗濯物を掛けにくいので、両端まで使い切るためです。

そしてもうひとつ、ベランダの幅いっぱいに伸ばさないほうがいいという点があります。

集合住宅の場合、隣戸との隔て板の前や、床の避難ハッチの上は、いざというときの通り道です。ここに洗濯物が垂れ下がると具合が悪い。

竿の長さは、ベランダの幅ではなく竿受けの位置で決めるものだと考えておくと、間違いが少なくなります。

ここが一番見落とされやすいのですが、伸縮竿は「最大まで伸ばした状態」で使うようには作られていません。

伸ばしきると、内側のパイプと外側のパイプの重なりが数センチしか残らず、そこを支点にたわみます。

「1.8m〜4m」の竿を4mで使うのと、3.5mで使うのとでは、真ん中の下がり方がまるで違います。

ですので、使いたい長さが、伸縮範囲の真ん中からやや上あたりに収まるものを選ぶのが現実的です。

2.4mで使いたいなら、上限が2.8mや3mのものを。ぴったり2.4mが上限の竿を選ぶと、伸ばしきりで使うことになります。

基準2 太さと耐荷重が、たわみを決める

竿の直径は、25mm前後のものと29mm前後のものが主流です。数字の差は4mmですが、パイプの断面の強さは直径が効いてくるので、持ったときの安心感はけっこう変わります。

耐荷重は、商品によって「約8kg」から「50kg」まで開きがあります。

ただし、この数値は各社が同じ方法で測っているわけではないので、そのまま何倍と比べるのは無理があります。

桁が違えば傾向は読める、くらいに受け取るのがちょうどいいところです。

もうひとつ、耐荷重には「全体の耐荷重」と「等分布荷重」の二つが書かれていることがあります。

前者は竿全体で支えられる重さ、後者は均等にかけたときの目安です。

チチロバのように「耐荷重50kg/等分布荷重20kg」と両方が書かれている場合、日常で参考になるのは後者のほうです。

なお、洗濯物は乾いているときより濡れているときのほうがずっと重くなります。バスタオルや厚手のパーカーをまとめて干す家庭だと、想像より荷重がかかります。

基準3 素材の作りと、つなぎ目

見落とされがちなのが、「ステンレス」と書かれていても中身が違うという点です。

  • オールステンレス(SUS304など):パイプそのものがステンレス。重いが、傷がついても中から錆びにくい
  • ステンレス巻きスチールパイプ:鋼のパイプにステンレスを巻いたもの。軽くて安いが、表面に深い傷がついたり切り口が露出したりすると、中の鋼が錆びることがある

そして、どちらの作りでも共通して弱いのがつなぎ目です。伸縮部分やジョイント部分は、部品どうしが触れ合っていて、水が抜けにくい。

実際、後述する口コミで錆びの報告が出ているのは、竿の真ん中の平らな部分ではなく、ほとんどが継ぎ目のまわりです。

「錆びない」という言葉は、竿の本体について言っていることが多く、つなぎ目まで含めた保証ではない、と考えておくとがっかりしにくいと思います。

比較表

項目 チチロバ(Titiroba) scktoo(スクトゥー) アイリスオーヤマ
分割できるステンレス物干し竿
伸縮範囲 1.68〜3m(2.19〜4mもあり) 1.8〜4m 1.63〜2.8m(4mモデルもあり)
パイプ直径 約29.4mm 約29.4mm(厚さ0.8mm) 約25mm前後
耐荷重(公称) 50kg/等分布20kg 50kg 約8kg
素材 SUS304ステンレス
伸縮部はステンレスクラッド鋼管
304ステンレス ステンレス巻きスチールパイプ+ABS樹脂
重量 約1.5kg前後 約1.55kg 約980g
収納 2分割・約0.88m 分割可 ジョイント式で分割可
ハンガー掛け モデルにより有 有(フック付属モデルあり) 有(SU-280CHなど)
組み立て 差し込むだけ 差し込むだけ ジョイント差し込み
価格帯の目安 2,500〜5,000円台 3,000〜4,000円台 1,000〜2,000円台

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※価格・仕様は変更されることがあります。購入前に販売ページの最新の表示をご確認ください。

数値を並べると、チチロバとscktoo(スクトゥー)が「太くて重い」組、アイリスオーヤマが「軽くて安い」組に分かれます。

耐荷重の8kgと50kgという差は、そのまま後述の「しなる」という口コミにつながっています。

商品ごとの解説

チチロバ(Titiroba) 太さと組み立てやすさのバランス型

パイプ径29.4mm、SUS304のオールステンレス。

伸縮部にはステンレスクラッド鋼管を使っていて、つなぎ目の強度に配慮した作りです。

プラスチックのジョイントを使わず差し込むだけ、という点は口コミでも評価されていました。

伸ばして設置してみると両サイドが調整出来るので、ジャストサイズです。重さで歪むこともなかったです。

説明書の通りに差し込むだけで簡単に組み立てられました。

両端が伸びる構造なので、竿受けの位置に対して左右対称に合わせやすいのは実用的な利点です。

向いている人:竿受けの間隔が中途半端で、微調整したい人。布団も干したい人。多少重くても、たわみを避けたい人。

向いていない人:竿を頻繁に外して片付ける人には、1.5kg前後という重さと2分割の手間がやや面倒に感じられるかもしれません。

また、後述しますがハンガー掛けの溝に入らない太いハンガーがある、という声もあります。


scktoo(スクトゥー) 長さを稼ぎたいときの選択肢

1.8mから4mまで伸びるので、間口の広いベランダや、竿受けの間隔が2.5mを超える家では選択肢に入ります。

パイプの厚さ0.8mmという表示があり、薄いパイプよりは芯がある作りです。ハンガーフックが多数付属するモデルもあります。

ハンガーをかける所があるだけで、こんなにストレスフリーなのかとびっくり。

一方で、これは4mまで伸ばせる竿全般に言えることですが、長く伸ばすほど真ん中は下がります。

何も干してなくても、真ん中部分が下がってしまいます。

繋ぎ目の真ん中が少々不安定です。

何も干していない状態でたわむという声が出ているのは、伸ばしきりで使っている可能性が高そうです。基準1で書いたとおり、上限いっぱいで使う前提だと厳しくなります。

向いている人:竿受けの間隔が広く、3m以上が必要な人。ハンガーを等間隔に掛けたい人。

向いていない人:短い間隔で使う人。1.8m程度で使うなら、この竿を縮めて使うより、もっと短い範囲の竿を選んだほうが重なりが多く残ります。


アイリスオーヤマ 分割できるステンレス物干し竿 軽さと扱いやすさ重視

約980gと、3本の中では明確に軽い。ステンレス巻きスチールパイプにABS樹脂のジョイントという構成で、価格も抑えられています。

ハンガー掛け付きのモデル(SU-280CHなど)が選べます。

ハンガー掛け付きがとっても便利!

錆びないし、長持ちしてます

軽いということは、取り付けが楽ということでもあります。ベランダの高い位置にある竿受けに、片手で持ち上げて載せる場面では、980gと1.55kgの差ははっきり出ます。

ただし、耐荷重の公称値は約8kg。

しなる。たくさん干すと怖くなるくらい。

まとめ洗いをして一度に大量に干す家庭だと、この点は正直に見ておいたほうがよさそうです。

向いている人:ひとり暮らしや二人暮らしで、洗濯量がそれほど多くない人。竿を季節ごとに外して収納したい人。取り付けの軽さを優先したい人。

向いていない人:家族の洗濯物をまとめて干す人。厚手のものやシーツを日常的に干す人。


口コミで多かった不満と、その対処

3本の低評価を並べると、不満は4つに集約されました。どれも竿を替えなくても軽くできることがあります。

1. 真ん中がたわむ・しなる

3本すべてで出ていた声です。原因はだいたい次のどれかです。

  • 伸ばしきって使っている:パイプの重なりが減って、そこからしなります。使う長さより上限に余裕のある竿を選ぶのが根本的な対処です
  • 重いものを真ん中に集めている:ジーンズやバスタオルを中央にまとめると、そこだけ下がります。重いものを竿受けの近く、軽いものを中央に置くだけでも見た目が変わります
  • 竿受けの間隔に対して竿が長すぎる:支点の外側が長いほど、中央は下がりやすくなります

2. つなぎ目が錆びる、中に水がたまる

意外にサビます。あと雨水が中で溜まってました。

梅雨が明けたら左右のつなぎ目が錆びてました。

チチロバ、scktoo(スクトゥー)の両方で挙がっていました。どちらも「錆びに強いステンレス」をうたっている商品なので、意外に感じるかもしれませんが、錆びているのは継ぎ目です。

  • 設置するとき、竿をわずかに傾けて取り付けると、内部に入った水が端から抜けやすくなります
  • 長雨のあとは、両端を下に向けて水を切るだけでも違います
  • 端のキャップが外れていないか、ときどき確認する

雨がかかる場所に置く以上、水は入るものと考えて、抜ける経路を作っておくほうが現実的です。

3. ハンガー掛けの範囲が短い

ハンガー掛けの部分が全長の半分もないので使い勝手が悪い。

ハンガー掛け(等間隔の溝やフック)は、竿の全長にわたって付いているとは限りません。伸縮する部分には溝を切れないので、中央の固定部分だけというものが多くなります。

購入前に、商品画像で溝がどこからどこまで入っているかを確認しておくと、届いてからのがっかりが減ります。溝の外側は普通の竿として使う、と割り切るのが現実的な使い方です。

4. 太いハンガーが掛からない

下着用のハンガーが太すぎて引っ掛けられませんでした。

溝の幅は商品ごとに違い、太いフックのハンガーや、洗濯ばさみが並んだ角ハンガーの持ち手は入らないことがあります。

手持ちのハンガーのフック部分の太さを測っておくか、掛からなかったときは溝のない部分に掛ける、あるいは細いフックのハンガーに買い替える、といった対処になります。

状況別のおすすめ

竿受けの間隔が1.6m〜2.2mくらい、洗濯量は多くない
アイリスオーヤマの2.8mモデルが収まりやすい範囲です。

軽くて取り付けが楽なぶん、日々の出し入れが苦になりません。ただし一度に大量に干す日は、重いものを端に寄せてください。

竿受けの間隔が1.8m〜2.6m、家族の洗濯物をまとめて干す

チチロバの1.68〜3mモデルが、伸縮範囲としても耐荷重としてもちょうど中間で使えます。伸ばしきりにならない点が効いてきます。

竿受けの間隔が2.5m以上ある、間口の広いベランダ

scktoo(スクトゥー)の1.8〜4mモデル、またはチチロバの2.19〜4mモデル。

ただしどちらも、上限いっぱいまで伸ばすとたわみます。3.2mで足りるなら4mまで伸ばさない、という使い方を前提にしてください。

竿を使わない季節はしまいたい
3本とも分割できますが、収納時の長さと重さで選ぶならアイリスオーヤマ。チチロバは2分割で約0.88mになります。

布団も干したい
今回の3本の中ではチチロバが太さと耐荷重の点で候補になりますが、布団を毎日干すなら布団専用の竿を別に用意したほうが、竿にも布団にも無理がありません。

買ったあと、最初にやること

届いてすぐ干したくなりますが、先に済ませておくと後が楽です。

  1. 竿受けの中心から中心までを測り、竿を仮に伸ばして合わせる:干す前に長さを決めてしまいます。両端が10〜20cmずつ出る位置が目安です
  2. 伸ばした状態で、竿を軽く手で押してみる:中央がどれくらい沈むかを、何も干していない状態で確かめておきます。ここで大きく沈むようなら、伸ばしすぎです
  3. 端のキャップがきちんと入っているか確認する:水の入り口になります
  4. ハンガー掛けの溝に、家のハンガーが入るか試す:種類ごとに1本ずつ確認しておくと安心です
  5. わずかに傾けて設置する:水が抜ける向きを作っておきます
  6. 最初の雨のあとに、つなぎ目を見る:早い段階で水の溜まり方が分かります

結論:竿受けの間隔で決まる

物干し竿選びでつまずくところは、たいてい長さです。ベランダの幅ではなく、竿受けの間隔で決まります。

さらに「上限いっぱいまで伸ばさない」という条件がつきます。ここさえ押さえれば、太さや素材は洗濯量と予算で決められる範囲に収まります。

今回の3本は、太さと耐荷重を取るか、軽さと価格を取るかで性格が分かれていました。どちらが優れているという話ではありません。

一言にすると、竿受けの中心から中心までの間隔+10〜20cmが、あなたの家に合う長さです。まずはメジャーを持ってベランダに出て、そこを測るところからです。

測ったうえで迷うなら、チチロバの1.68〜3mモデルから見てみてください。伸縮範囲も耐荷重も3本のちょうど中間で、上限まで伸ばさずに使える幅が広いためです。

竿受けの間隔が1.8m〜2.6mで、家族の洗濯物をまとめて干す家なら、外しにくい1本だと思います。


間隔が2.5mを超えるなら scktoo(スクトゥー) かチチロバの2.19〜4mモデル、軽さと価格を優先するならアイリスオーヤマです。

条件は上の「状況別のおすすめ」に書きました。

窓まわりでは、カーテンレールの「2.0m用」も窓の幅ではありませんでした。窓枠より左右に10〜15cm長く付けるものだからです。

※記載の価格・仕様は記事作成時点のもので、変更されることがあります。購入前に販売ページの最新の表示をご確認ください。

この記事を書いた人
tora

「Cozy雑貨」を運営しているtoraです。

暮らしの中で使う道具を、選ぶときの基準がはっきりするように整理して紹介しています。

選ぶ基準を先に3つ決める、仕様はメーカーの公式サイトで確かめる、低い評価の口コミから共通する不満を拾う。この順番を毎回守っています。

すべてを購入して試しているわけではありません。そこは記事の中で正直に書いています。

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